特殊鋼とは
何らかの形で必ず鉄の中に炭素が含まれており、炭素が含まれている鉄の事を「鋼」といいます。
工具等で鋼を用いる場合、その使用における耐久性として主に耐摩耗性という特性が要求される場面が多くあり、鉄中の炭素量が増加するとその特性も増して硬くなります。
ただ、工具とは、ドリルなど切削工具をはじめ、ペンチやドライバーなど作業工具、プレス金型やダイカスト金型など部品等の成形用工具など、その分類範疇により非常に多くの種類のものが取り扱われています。その用途や使用環境は非常に多岐に亘り、それぞれ条件が異なりますから、それらに応じた工具に要求される特性も実に多くの特性が必要とされます。
通常の鋼を使用すると要求された特性を満足できず、工具使用のコストが想定より大きくなってしまう等の問題があります。その悩みを解決するために通常の鋼に比べて特性の性能を強化するために開発されたのが「特殊鋼」と呼ばれるものになります。
特殊鋼とは、鋼中の炭素に加えてクロム、ニッケルやモリブデン等の様々な炭素以外の元素を加えた、いわゆる合金鋼のことをいいます。それら加える元素により、耐磨耗性(硬度)、強度、粘り強さ(靭性)、耐食性、耐熱性(熱間強度)などの各種性能の向上が可能となります。
特殊鋼には、その使用用途に応じて様々な種類があり、熱間工具鋼、冷間工具鋼、高速度工具鋼、機械構造用鋼などがあり、また、それら用途別におきましても各特殊鋼メーカー毎のブランド鋼種も相まって非常に多くの種類の特殊鋼がラインナップされており、その選択に迷うのが正直なところだと思います。
ウメトクは、創業70年以上の長い歴史を持つ特殊鋼専門商社です。
特殊鋼、並びにその他関連材料では全国有数の商品ラインナップを誇り、お客様の要望に柔軟に対応できる体制を整えており、特殊鋼を専門として多くの販売・加工実績を上げております。
特殊鋼は、工具から製品まで幅広い分野で使われており、お客様の製品製造に最適な鋼材探しにおきまして、ウメトクが少しでもお役に立てればと日々考えております。
特殊鋼の特性
-
POINT.1
- 強い
- 外からの力に対して強いという特性があります。材料の強度を高めることで、自動車部品の小型軽量化や長寿命化に役立っています。
-
POINT.2
- 加工しやすい
- 硬くて強い特殊鋼ですが、切削加工に適した優しい材料もつくれます。小さなものから大きなものまで、精密加工に向いています。
-
POINT.3
- 硬い
- 金属を加工・成形するために使われます。摩耗や変形しにくく、金属やプラスチックを成型する金型にも使用されます。
-
POINT.4
- 熱に強い
- 高温で変形しやすいという弱点を克服し、自動車や航空機のエンジン部分、工場や発電所など、高温の環境で活躍します。
-
POINT.5
- 錆びにくい
- 水周りや、屋外、海岸付近の機器の長寿命・景観維持に貢献。
特殊鋼は何に使われているの?
-
【プレス部品】
標準パンチ・ダイボタン・異型パンチなど幅広く対応致します。 -
【鍛造金型】
素材から熱処理や表面処理、完成加工品に至るまで幅広く対応致します。 -
【プラスチック金型】
シボ加工性、鏡面性などに優れた素材を取り扱い、押出ピン・スクリュー・シリンダー等完成品までを供給しています。 -
【ダイカスト金型】
アルミダイカスト用金型からマグネシウム合金用金型まで対応致します。
リサイクルで
生まれ変わる特殊鋼
製品として使用され、役目を終えた特殊鋼。しかし、まだまだ終わりません。
鉄製品はリサイクルされ、鉄スクラップという資源に再生されます。
新たに生命を吹き込まれた特殊鋼は、再び社会で活躍するのです。