オーブン炉の操作説明会に参加

  • 作成日:2022年05月16日

近年、「カーボンニュートラル(CN)」実現に向けて、さらなる省エネが重要視されています。弊社におきましても、CN活動の一環として、旭科学㈱製のオーブン炉を2022年5月名古屋熱処理センター(名古屋市天白区)に導入しました。導入しましたオーブン炉は弊社にすでに設置しております経年変化を防止するサブゼロ装置と同様に、省スペースで設置でき、さらに省エネも期待できます。導入後、操作説明会に参加を行い、操作方法を学びました。少量バッチを処理する場合、今回導入しました小型の炉を用いることで、消費電力を抑えて処理を行うことが可能となります。
今後も、CN取組を推進するとともに、熱処理のニーズに迅速に対応致します。

最後に、経年変化の原因となる残留オーステナイトについて、少しお話させて頂きます。
残留オーステナイトは、合金元素(C、Cr、Ni、Mnなど)が多いほど、Ms点やMf点の低下を引き起こすため、残留量が多くなります。熱力学的に不安定であるため、長い時間置いておくと徐々に変態をして、経年変化と呼ばれる寸法変化が生じてしまいます。そのため、安定化処理、サブゼロ処理などが重要となります。ちなみに、残留オーステナイトの測定には、X線回折測定(XRD)を用いて、α(200),α(211), γ(200), γ(220), γ(311)のピークを用いて積分強度比から算出する方法やEBSD装置での測定等が知られています。

当社で行っておりますサブゼロ処理は、焼入後に0℃以下に急速に冷却を行うことで、オーステナイトのマルテンサイト化が進み、硬度上昇・経年変化の減少などの効果を発揮します。主に、冷間加工用金型の処理に対応しています。

↓↓当社の熱処理事業についてはこちらです。
https://www.umetoku.co.jp/heat-treatment/

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